2013年11月2日土曜日

サルエビを楽しむ、2013秋

海老は好きな食材ですが、だからと言ってどうしても食べたいとか定期的に食べたいというほどでもありませんでした。

ところが数年前、新潟を旅行した際に、地物を扱う居酒屋でドロエビの焼き物を頂いたんです。お店の方が勧めてくれるのも納得、これが未だかつてない美味しさでして、おかわりして、帰ってきてからも反芻する日々になったんです。

そんなある日、大洗の魚屋さんでこのサルエビに出会いました。
最初は特に興味はなかったのですが、お店の人に一匹生で味見をさせてもらったところ、これがまぁ美味しくて、詳しく話を聞くとどうやらドロエビと同じものじゃないかと。
火を通して食べるともっと美味いよと。確かにドロエビは焼き物で頂きましたし。
そんなわけでと頂いて、茹でたり焼いたりして食べると仰るとおりの激ウマ。これはたまらんですと嬉しい再会を果たしたわけです。

このサルエビ、以前は大洗でも沢山捕れたそうですが、最近は滅多に取れずに高級海老になりつつあるとか。
以前の豊漁の時は、値が安く加工して美味しいから、かっぱえびせんなんかにも良く使われたんだそうです。

そして名古屋人のソウルフードの一つである天むす、この海老もサルエビなんだとか。wikipediaで読んだだけですけど。


ともかくそんな愛するサルエビ、たまに大洗や那珂湊でも売ってることがありまして、今回も久しぶりに出会い、購入したわけなんです。あまり捕れないだけあって、港で買っても決して安くないんですけどね。

まぁ見た目はなんてことない、小ぶりの海老。大きくても10cmそこそこにしかならないそうですが、これは大きいものでも5cm程度でしょうか。
一匹ずつブリっと焼くにはちと物足りない大きさですので、今回は茹でることにします。唐揚げでもいいんですが、揚げ物はめんどくさいですしねぇ。



そんなわけで塩ゆで。
やっぱり見た目はなんてことない。

焼いたり揚げたりすると、大きいサイズでも頭まで全部食べられますが、茹でだとちと痛いですね。なので、頭の下の足を持って頭の殻だけ外し、味噌と足と胴体としっぽはお口の中へ。

味噌自体も美味しいんですが、この海老の真骨頂は身本体のコクと殻の風味なんですよね。とにかく濃い海老出汁が身に詰まってまして、噛んでも噛んでも旨みが溢れでます。そして香ばしい殻の味。焼いたり揚げたりだと香ばしいのは納得ですが、この海老の殻は茹でただけでも香ばしさ満載。

結局味を変えることなく塩ゆでのままぱくついてしまいました。
レモンとオリーブオイルとか、ハーブ類ぶっこんだりとか、アヒージョにしたりとか、アレンジはなんぼでもできる良い子でございます。

いやー、お酒がススムススム。



お次はかき揚げです。
サルエビに合わせるのはパッションフルーツの葉っぱ。最近スリランカ料理で食べることを知ってから、他に美味しい使い方はないかと模索しております。基本的には、火を通すと青臭さと苦味が収まって、ほろ苦い程度の独特の味わいになるんです。なのでかき揚げもいけるんじゃね?という奥さんの案なんです。

サルエビは茹でて殻を剥きます。先述の通り殻が美味しいこの海老なんですが、勿体無いと思いつつも食感を重視します。
もちろん頭と殻は最後に素揚げに塩で頂きますから、実際には勿体無いこともなく。

海老の身はほろほろでして、結構殻を剥くのがめんどくさい。食感はぷりぷりすることなく、ふわふわの状態です。



極々細切りにしたパッションフルーツの葉っぱと玉ねぎとマゼマゼ。



カラッと揚げれば出来上がりです。

ちょっと海老の量が少なかったのはご愛嬌でして、それでもほろ苦い滋味の中で時折ジュワっとくる旨み、濃いですなぁ。
殻がないから香りは一歩物足りませんし、プリっとした海老の楽しみである食感もないのですが、それらを補う旨みは十分、これはこれで美味しいかき揚げです。



次はアヒージョ。
アヒージョの中でも海老は定番の食材。だから美味しいに決まってます。

海老は軽く洗って髭を抜き、よーく水を拭いてからフライパンで乾煎りして水分を飛ばします。
ほんのり色づき始めたくらいでオリーブオイルとニンニクを投入。今回は辛くしないので鷹の爪は入れませんし、味付けは海老の塩味のみです。

いい出来ですねー。パリっとした殻と、エビミソとニンニクの混じった油が染み入った本体。お酒が進むにも程があります。えぇ。

サルエビは全体的に柔らかいんです。殻も固くないし、エビミソも火を入れるとトロトロと流れ出る。身もプリっとではなくてほろほろ。だからアヒージョはめちゃくちゃ相性が良いということなのでした。



なかなか見ない買えないこのサルエビ、今回は纏めて購入して小分けで冷凍保存してありますから、しばらくの間は楽しめそうです。

この海老の味の濃さは、海老界でもきっとトップクラスの美味しさだと思ってます。ですけど、この美味しさが広まって欲しい気持ちがありつつ、でもあんまり捕れなくなってきてるという話を鑑みると、このまま知る人ぞ知る味でいて欲しい気もしつつ、まぁ見かけた時は大事に食べようと思った次第でございます。

3 件のコメント:

  1. こんばんわ! サルエビ記事、堪能させていただきました!(笑)
    当家でエビと言えば白海老(殻付き)なのですが、那珂湊でもちらっと見かけていたこの海老、
    機会があったらぜひ入手してみようと思います(^ ^)
    春先になると、活動期の為か泥臭くなってしまうので、今の冬期に入る頃が、
    甲殻類の一番美味しい季節なんじゃないかと思う今日この頃です。

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  2. 白海老、いいですねぇ。語れるほど食べたことないですけど。
    しかしサルエビはホントオススメです。基本、殻を剥く必要がないですし、味は濃厚ですし。
    久しく飲んでおりませんねぇ。また飲みませう。

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  3. どうもです(^ ^)>
    関東だと白エビはムキエビしかなくて、カシラの美味しいところが…(泣笑)。
    ともかくも、これから甲殻類が美味しくなるのは確実ですねw
    ぜひまた機会を得まして、一席願いたく存じます(_ _ )>

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