ところが数年前、新潟を旅行した際に、地物を扱う居酒屋でドロエビの焼き物を頂いたんです。お店の方が勧めてくれるのも納得、これが未だかつてない美味しさでして、おかわりして、帰ってきてからも反芻する日々になったんです。
そんなある日、大洗の魚屋さんでこのサルエビに出会いました。
最初は特に興味はなかったのですが、お店の人に一匹生で味見をさせてもらったところ、これがまぁ美味しくて、詳しく話を聞くとどうやらドロエビと同じものじゃないかと。
火を通して食べるともっと美味いよと。確かにドロエビは焼き物で頂きましたし。
そんなわけでと頂いて、茹でたり焼いたりして食べると仰るとおりの激ウマ。これはたまらんですと嬉しい再会を果たしたわけです。
このサルエビ、以前は大洗でも沢山捕れたそうですが、最近は滅多に取れずに高級海老になりつつあるとか。
以前の豊漁の時は、値が安く加工して美味しいから、かっぱえびせんなんかにも良く使われたんだそうです。
そして名古屋人のソウルフードの一つである天むす、この海老もサルエビなんだとか。wikipediaで読んだだけですけど。
ともかくそんな愛するサルエビ、たまに大洗や那珂湊でも売ってることがありまして、今回も久しぶりに出会い、購入したわけなんです。あまり捕れないだけあって、港で買っても決して安くないんですけどね。
まぁ見た目はなんてことない、小ぶりの海老。大きくても10cmそこそこにしかならないそうですが、これは大きいものでも5cm程度でしょうか。
一匹ずつブリっと焼くにはちと物足りない大きさですので、今回は茹でることにします。唐揚げでもいいんですが、揚げ物はめんどくさいですしねぇ。
そんなわけで塩ゆで。
やっぱり見た目はなんてことない。
焼いたり揚げたりすると、大きいサイズでも頭まで全部食べられますが、茹でだとちと痛いですね。なので、頭の下の足を持って頭の殻だけ外し、味噌と足と胴体としっぽはお口の中へ。
味噌自体も美味しいんですが、この海老の真骨頂は身本体のコクと殻の風味なんですよね。とにかく濃い海老出汁が身に詰まってまして、噛んでも噛んでも旨みが溢れでます。そして香ばしい殻の味。焼いたり揚げたりだと香ばしいのは納得ですが、この海老の殻は茹でただけでも香ばしさ満載。
結局味を変えることなく塩ゆでのままぱくついてしまいました。
レモンとオリーブオイルとか、ハーブ類ぶっこんだりとか、アヒージョにしたりとか、アレンジはなんぼでもできる良い子でございます。
いやー、お酒がススムススム。
お次はかき揚げです。
サルエビに合わせるのはパッションフルーツの葉っぱ。最近スリランカ料理で食べることを知ってから、他に美味しい使い方はないかと模索しております。基本的には、火を通すと青臭さと苦味が収まって、ほろ苦い程度の独特の味わいになるんです。なのでかき揚げもいけるんじゃね?という奥さんの案なんです。
サルエビは茹でて殻を剥きます。先述の通り殻が美味しいこの海老なんですが、勿体無いと思いつつも食感を重視します。
もちろん頭と殻は最後に素揚げに塩で頂きますから、実際には勿体無いこともなく。
海老の身はほろほろでして、結構殻を剥くのがめんどくさい。食感はぷりぷりすることなく、ふわふわの状態です。
極々細切りにしたパッションフルーツの葉っぱと玉ねぎとマゼマゼ。
カラッと揚げれば出来上がりです。
ちょっと海老の量が少なかったのはご愛嬌でして、それでもほろ苦い滋味の中で時折ジュワっとくる旨み、濃いですなぁ。
殻がないから香りは一歩物足りませんし、プリっとした海老の楽しみである食感もないのですが、それらを補う旨みは十分、これはこれで美味しいかき揚げです。
次はアヒージョ。
アヒージョの中でも海老は定番の食材。だから美味しいに決まってます。
海老は軽く洗って髭を抜き、よーく水を拭いてからフライパンで乾煎りして水分を飛ばします。
ほんのり色づき始めたくらいでオリーブオイルとニンニクを投入。今回は辛くしないので鷹の爪は入れませんし、味付けは海老の塩味のみです。
いい出来ですねー。パリっとした殻と、エビミソとニンニクの混じった油が染み入った本体。お酒が進むにも程があります。えぇ。
サルエビは全体的に柔らかいんです。殻も固くないし、エビミソも火を入れるとトロトロと流れ出る。身もプリっとではなくてほろほろ。だからアヒージョはめちゃくちゃ相性が良いということなのでした。
なかなか見ない買えないこのサルエビ、今回は纏めて購入して小分けで冷凍保存してありますから、しばらくの間は楽しめそうです。
この海老の味の濃さは、海老界でもきっとトップクラスの美味しさだと思ってます。ですけど、この美味しさが広まって欲しい気持ちがありつつ、でもあんまり捕れなくなってきてるという話を鑑みると、このまま知る人ぞ知る味でいて欲しい気もしつつ、まぁ見かけた時は大事に食べようと思った次第でございます。
こんばんわ! サルエビ記事、堪能させていただきました!(笑)
返信削除当家でエビと言えば白海老(殻付き)なのですが、那珂湊でもちらっと見かけていたこの海老、
機会があったらぜひ入手してみようと思います(^ ^)
春先になると、活動期の為か泥臭くなってしまうので、今の冬期に入る頃が、
甲殻類の一番美味しい季節なんじゃないかと思う今日この頃です。
白海老、いいですねぇ。語れるほど食べたことないですけど。
返信削除しかしサルエビはホントオススメです。基本、殻を剥く必要がないですし、味は濃厚ですし。
久しく飲んでおりませんねぇ。また飲みませう。
どうもです(^ ^)>
返信削除関東だと白エビはムキエビしかなくて、カシラの美味しいところが…(泣笑)。
ともかくも、これから甲殻類が美味しくなるのは確実ですねw
ぜひまた機会を得まして、一席願いたく存じます(_ _ )>