名代の品が色々あるっぽいので、それらをピックアップ。
イカのなめろう。
なめろうと言えば房総の名物料理ですし、我が家も鮮度の良い魚が手に入ればちょくちょく作ります。が、イカは初めて。よく練ったイカと、叩いたイカを組合せてるのかな。ネットリ感と弾力の混じり合いがたまらんです。
味は付いているけど足りなかったどうぞとお醤油が添えられますが、全く不要。仄かな塩味に、これでもかというイカの旨味と甘みです。酒飲みてぇ。ドライバーは辛い。
そのイカのなめろうの天ぷらと、セグロイワシの天ぷら。ハーフサイズで相盛です。
イカは火が入ってプリっとしつつも柔らかさは残り、ネットリ感がふわっとというかなんというか。そして旨味が一段と濃くなると。
イワシは、うん、これを食べるためにこっち方面に来る価値がある味。もともとセグロイワシは自作のアンチョビを作るのに親しんでるものですが、刺身で食べて美味い鮮度はやっぱり港までこないとなかなか。その鮮度で作る天ぷらは、美味いところしかないわけです。
はまぐり飯に付いてきたお吸い物。このあたりでは、小粒のはまぐりをお吸い物なんかで食べる用に結構安く売ってます。キロ800円とか。はまぐりの出汁は、貝類でも最強の上品さですなぁ。
そしてそのはまぐり飯。固形燃料で眼の前で炊き上げるわけですが、これがまぁえげつないいい香りを振りまくわけです。そして溢れ出る出汁。めっちゃもったいないなぁとか思いつつも、火が消えるまで開けちゃ駄目と厳命されております。耐えること数十分。やっと火が消えて、えぇ、もう、もう、それまで香ってた香りとは一味も二味も違う濃厚な香り。はまぐりの出汁を存分に吸い、そしてちょっと焦げたご飯はごちそう以外の何物でもありません。熱くてもがっつく、そして至福でございます。
普段はたこ飯が名代なんだそうですが、はまぐりは時期のもの。次回はたこ飯をと誓ったのです。
そしてながらみ。最近巷でも目にするようになりましたが、もともと九十九里界隈ではよく食べれてたようで。ごくごく薄めの塩ゆでは、貝の旨味がしっかり味わえます。多分物足りないくらい薄味。でも食べ続けると貝の味が濃くて濃くて、あぁ塩味って要らんのやって気になるからすごいですなぁ。ちなみに市場価格でははまぐりの小さいのよりも高いんですね。人気だからかな。
ということで、地元でしか食べられないものを食べるというミッションを果たし、あとはお土産をと思ってたのですが、この界隈の漁港って買えないんですね。そして小さい漁港が点在するから、そもそも一般向けには大きく拓かれてないって感じでして。
結局銚子まで北上。そこでもイワシがあんまりいい感じじゃなくて、入梅なのになぁと涙して帰ったのでした。
船頭の台所
千葉県いすみ市大原10134-20
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月曜定休