2014年5月9日金曜日

くにや - 佐野らーめん

久しぶりの佐野詣です。今回は比較的新し目のお店、くにやさん。2013年の9月にオープンして、すでに評価の高いお店になっているようです。

くにやさんは、もともとは佐野の料亭街にあった割烹店だそうで、その割烹の技から生まれた無化調のスープが特徴とのこと。なかなか他では聞かないアプローチですので、楽しみなのです。

お店は住宅を改造した店舗で、川沿いの少し奥まった場所にあります。座敷じゃなくてお店全体が靴を脱いで上がるスタイル。これもちょっと珍しい。


佐野らーめん。

無化調のスープは、想像よりもずっと濃くて奥深い。塩気が前面に来ないのに、とても味のある印象。でも尖った部分がなくて丸い優しい舌触りと喉越し。出汁がしっかりしてると、驚くほどの濃さが出るんですね。これまで食べてきた佐野らーめんのスープと比べて、煮物っぽい印象なのは、まさに割烹の出汁がルーツだからでしょうか。非常に満足度が高いスープです。飽きないし疲れない。余裕の完飲でした。

余談ですが、地元に無化調をウリにしている結構評判のラーメン店があるのです。以前食べに行ったのですが、正直なところ薄っぺらい味でなんだかなーって思ったことがあるんですよね。周りの評判を聞いても無化調だから薄めだとか優しいだとかそんな感じですし、お店のスタンスも無化調ですからって感じだったんですよ。無化調だから薄いとか軽いって言うのもどうなんだろうなぁって思ってたのですが、今回の経験でやっぱり思うんですよ、あの店は単純にスープの美味しさが足りてなかったなと。

閑話休題。

麺は平たいほろほろひらひらのタイプ。全体的に不揃いでふわふわと浮き上がるような頼りない麺。でもちゃんと必要はコシはあり、食べた瞬間のふんわりって感覚は、いやいやこれはありですなって納得するオリジナリティというか佐野ラーメンの進化というか、そんな感覚なのです。また、このひらひらのおかげでスープがよく絡み、というか麺の間にたっぷり含み、麺をすするとスープが薄く感じるなんてこともありません。食感の好みは別れるタイプだと思いますが、ラーメン全体におけるこの麺の意義はよく分かるのです。

チャーシューはロース肉のほろほろタイプ。程よく入った刺しのおかげで、このタイプのチャーシューにありがちなパサツキ感はありません。そして激ほろほろで、箸で持つのが大変なくらいです。バラ肉系のチャーシューが好みなので、美味しくても個人的評価はまぁってとこですが、確かにバラ肉系の脂はこのラーメンには不要だなと納得感があるのです。

メンマは小さめコリッと。まぁ普通。青菜、ネギと程々に香りを足す薬味がいい役割を担ってくれてますが、想像以上に相性が良かったのが少しだけ載ってるとろろ昆布。強くではなくて、やんわりとスープに変化をつけて楽しい。

全体のバランスというかコンセプトがしっかりとした、非常に美味しいラーメンでした。麺もスープもチャーシューも、好みによって賛否はあれど、評価しないってことにはならないであろう完成度だったなぁと。



ランチはセットメニューもあって、唐揚げ2個と半ライスのセットにしてみました。
唐揚げ、ちょっと揚げ過ぎな気もしますが、十分美味しい。けど餃子が評判らしいからそっちにしておけばよかったかなぁ。

佐野に来ると、この後のデザートとかいもフライとかが待ってるから、ラーメンだけで満腹にするわけにはいかんという心理があるのです。じゃあ唐揚げ食うなよって話ですが、鶏は別腹だからしょうがない。



ともあれ、ここはこれまでの佐野ラーメン詣の中でもベスト3に入る美味しさでございました。


くにや
栃木県佐野市大橋町2207
0283-22-0051

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