ヒラツメガニ、というものを買ってきました。
漢字で書くと「平爪蟹」。他には「丸がに」とか言うらしいです。
海無し県生まれなので、という言い訳が関係ないくらい、そもそもカニに興味がないんですよね。美味しいとは思うけどそんなに盛り上がらない。高いし。
そう思ってたんですけど、これは安くて程々美味しくて、楽しく頂きました。
それにしてもちょっと意味がわからない量。夫婦二人だって言ってんのに。
生きてる状態で買ってきて、帰宅するまで3時間くらい。一匹も死んでなくてめちゃくちゃ元気。
なので真水にしばらく漬けておとなしくさせます。暴れて危ないからそうしろと言われましたが、これって死ぬんですかね?弱るんですかね?寝るんですかね?教えてカニの人。
で、味噌汁にしろ、美味いからって買ってきたんですけど、ネットで調べると大きめのは茹でたり蒸したりしてる人も。
ということで、大きめの数匹をより分けて蒸してみます。
おー、綺麗な赤色に。造形もかっこいいじゃないですか。ちなみに甲羅の模様がHに見えるから、スケベ蟹とか呼ばれるちょっとかわいそうな子。
可食部は少ないから、味噌を味わうのを中心にとのことなので、パカっと開けて味噌をすする。
うん、たいしたことないなぁ。コクが無いわけじゃないけど薄いし、なにより苦味が気になる。うーん、これは失敗だったのかなぁ。
一応少ない身もほじってみる。食感は一般的に想像する蟹より細めの繊維がプリっとして、ヤシガニとかをちょっとだけ思い出してなかなか上品。でもやっぱり旨味は足りないなぁ。
ということで、オススメの食べ方で味噌汁にしてみる。
写真は丸っと入ってるだけなんですけど、食べる前に甲羅を開けて味噌をこそげ落として、ついでに胴体を十字に切って中の身もガシガシとつついてから頂きました。
いや、これは美味しい。やっぱり素直に奨められた食べ方をしろってことですねぇ。
蟹の風味が強くないものの上品に出てて、よく言えば癖のない旨出汁、悪く言えば蟹味が薄いと。
でも汁物のベースとしてはかなり好みです。
値段が高かったら、蟹なのにしょぼいって思うんでしょうけど、この蟹はかなり安いからむしろ見た目含めて楽しい食材でございます。逆に言えば、この蟹がそれなりの値段で売ってたら買ってはいけないということでしょうか。
身を食べると、繊維の細さのおかげなのか、カニ味噌とホントの味噌の味をよく吸って美味しい。まぁ食べるところは少ないんですけど。
蒸したときは随分失敗したなぁって思ったんですが、見合った食べ方をすればちゃんと美味しいんですね。ホント、人の話はよく聞けと。
よくよく調べてみると、どうやら蒸すにはまだ小さいんですね。もっと大きければ蒸したり茹でたりもいいんだとか。
味噌汁にしても残ります、えぇ、あれだけあれば。
ということで、スープを作っておきます。殻からも出汁が出るとのことなので、甲羅を開けて身はぶつ切りにして煮出します。
ガスガスと身を崩したりしつつ煮出すこと数十分。濃厚な出汁が取れました。めっちゃ良い香り。
そして哀れな残骸たち。
まずはこの出汁でご飯を炊く。
牡蠣汁でご飯を炊いた時も思ったんですけど、こういう出汁って意外とその味全開とはならない。これも上品な出汁の奥にほんのり香る蟹。特に熱いうちはお米の香りと相まっておとなしい。
でもちょっと冷ませば蟹の香りもわかりやすくなって贅沢気分でございます。
適当写真なので色について言うのはあれなんですけど、醤油を入れなくてもほんのり黄色いみその色って感じです。
ご飯は2回炊いたんですけど、まだまだ出汁はある。さてどうしようかということで、玉子豆腐にすることに。
ちなみに、玉子豆腐と茶碗蒸しの違いって、出汁の量なんですね。知りませんでした。
まぁ今回のがどっちなのかは、奥さんが作ったから知らないんですけど、やや固めだったから玉子豆腐かなと。
出来上がりの熱々を食す。
至高。きましたこれ、この蟹の一番美味しい食べ方だった。上品なちょっと薄めの蟹味、これがちょうどいい。くどくならず、でも蟹の香りは満載。いやはや、提案した俺偉い。作った奥さんもっと偉い。
冷めていっても美味しさそのまま、ちがうなそのままじゃなくて、蟹味が濃厚になる。冷えてきたら、なんかちょっとタレ的なものをかけてもいいかも。あの玉子豆腐のタレみたいな。
まぁとにかく衝撃の蟹味が楽しめました。すげーこれ。
ということで、数十匹のヒラツメガニ、家に帰ったときはどうしようかと思った量ですけど、言われた通り出汁を取るのに最適ということでした。味噌汁も美味しかった。それ以上に玉子豆腐。つまり茶碗蒸しも美味いということ。
次回からはこんな量じゃなくて、ちょっとだけ分けてもらって汁物や茶碗蒸しを楽しもうかなと。
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